このレビューはネタバレを含みます
オンライン試写会にて鑑賞。
父親を殺した息子を責め、酒や新興宗教に逃避する母親
結婚し娘を産んで普通の家庭生活を送り母とも兄とも関係を断とうとする妹
施設にいる人間を「ゴミ」と呼ぶ更生保護施設の職員
暴力や不当な勤務体制・解雇が横行する劣悪な職場
バスで席を譲ってもらおうと姑息な真似をするおばさん
ゴミ拾いしている人間の側で平気でポイ捨てする男
極め付けに、仲良くなったと思いきや結局「人殺し」の主人公に自分を殺してくれと懇願する外国人労働者
などなどメインのキャラクターから脇役にいたるまで主人公にストレスを与える人物がひたすら登場し、むかむかしてくる映画だった。私が一番むかついたのは母親。子どもを守るために離婚やシェルターに逃げ込むなどの行動を取れなかった自分が悪いのに息子を責めるとか阿呆かと…あそこまで行ったら施設に入れるしかないと思う。生活費はどうなってるんだろう？生活保護？？
誰も人の話を聞こうとしないし、自分のことしか考えていない人物ばかりなので、人間に期待していない私でも「事情が事情だし、人間ってもう少し優しいんじゃないかな…」と思ってしまった。優しい言葉だけど言われた方は傷つく、みたいな描写があっても良かったと思う。それに、妹に「家族だろ」と詰め寄る主人公の姿を見て、結局は彼も自分のことしか考えてなかったんだな…と思ってしまったのであのシーンはいらない気がした。
好きではない映画だったけれど、半田周平さんの演技は良かったので別の作品で見てみたいと思った。
