ワイカ

ベルファストのワイカのネタバレレビュー・内容・結末

ベルファスト(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 ずっと観たいと思っててやっと観れました。舞台はイギリス領北アイルランドの紛争時代だし、モノクロだしってことで、シリアスで難しめの映画かと思いきや、雰囲気は意外と微笑ましく軽やかで観やすかったです。とても良い映画でした。

 カトリック(お隣のアイルランドに近い人たち)系住民とプロテスタント(海を隔てたイギリス本土というかイングランドに近い人たち)系住民の間で30年間の泥沼の紛争が始まった1960年代終盤のイギリス領北アイルランド地方で、紛争と距離を置きながら生きていた家族のお話。監督を務めた名優ケネス・ブラナーの半自伝的映画のようです。

 始まってすぐ、プロテスタント系の家族と子供の視点で話が描かれてることに気づきました。この時代の北アイルランドではどちらかというとカトリック側の方が迫害されていた(それでテロを起こしていた)という認識だったので、迫害してた側の住民の視点で描くのはどうかなぁと思ったけれど、争いと距離を置いていて時に巻き込まれかけてた普通の住民という感じだったので、そういう住民の視点から見た北アイルランド紛争という観点では新鮮な印象を受けました。

 あんなたいへんな時代でも子供は宗派なんかには関係なく生きていて、終盤の初恋をめぐるお父さんのセリフにはほろっときちゃいました。

 お母さん役のカトリーナ・バルフって女優さんが素敵だったなぁ。子役の子もかわいかった。

 北アイルランド紛争のことをあまり知らなくても楽しめると思うけど、少し勉強してから観た方がもっと深みを感じられる映画だと思います。
 
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