にょこ

ベルファストのにょこのネタバレレビュー・内容・結末

ベルファスト(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

北アイルランド問題を背景にしたケネスブラナー監督の自伝的作品とWikipediaにはありました。
そのようなテーマで、モノクロ、これは重たい作品なんだろうか…と思いきや。
全くそんなことはなかった。

重いテーマは扱っているものの、雰囲気に合った心地の良い音楽、ユーモアある演出やセリフ(環境にいい洗剤🤣)、これだけでも楽しいのですが、俳優さんたちも素晴らしかった。
おばあちゃん役のジュディデンチ、最高です。

祖父母と両親の深い愛に満ちた作品で、主人公の少年バディはベルファストという街でカトリックとプロテスタントの抗争により、今までの平和な暮らしが一変します。

おじいちゃんの前向きな教えはまさに人生の光ですね。北アイルランドの人ってみんなこんな明るくて楽しいのでしょうか。
街一体となって子育てが出来ていたベルファストも、すごく理想的で母が離れたくないと思うのも無理もない。

生まれ育った街を離れる辛さ。
家族を置いていく辛さ。
そして、去らない者達の辛さ。

ジュディデンチのラストのセリフと窓ガラス越しのカットには号泣でした。
愛する夫を亡くしたばかりで、息子夫婦も去る。それでも彼女はベルファストに残るのか…

一緒に行けたら、
抗争なんか起こらなければ、
そう思わずにはいられません。
優しさ、寛大な心、相手への尊敬。これさえあれば彼らサイドも僕らのサイドもない。

追記
見終わってからふと気づいたネタ。
劇中、様々なな懐かしいアイテムが登場するのですが(007のアストンマーチンとか)、バディがマイティ・ソーの漫画を読んでいて。
子供目線の戦争を描いたジョジョラビットはマイティ・ソーの監督でしたね。
にょこ

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