秀ポン

ムーンフォールの秀ポンのレビュー・感想・評価

ムーンフォール(2021年製作の映画)
1.7
ダイソン球や「星を継ぐ者」なんかのアガるハッタリにテンプレケチャップどばちゃあああああで何の味もしなくなった哀しきSFディザスターアクションキメラ。

嘘でしょ?ってくらい面白くなかった。

前半はエグいほどの駆け足っぷりで、もはや展開というよりは細切れのディザスタームービー的イベントが並んでいるだけ。
急ぎ足のわりには、ハウスマン博士が気付いた事実にNASAも気付いている情報のダブりなんかで無駄にもたついたりしていた。
この前半で1番ムカついたのは月からの潮汐力が強まったことによる津波をだれも予測できていない事(その場には天体物理学者も居たのに!)。ハラハラの展開のために登場人物達の頭を悪くするのはやめて欲しい。似たようなことをインターステラーの高重力の星でも感じた。

嘘でしょ?ってくらい古臭い所謂ハードボイルドな主人公。こいつの宇宙にちなんだ軽口は基本聞いていられなかった。
古臭いのは別に悪いとは思わないんだけど、それを無邪気に賛美したおす姿勢にはうんざりする。
ハルベリーも主人公のハードボイルドさを浮かせないための対話相手として存在していただけだった。

後半、白い空間でのお喋りで事の真相が全て判明し、そこから先、見るべきものはもう何も残ってない。「2001年〜」的展開を説明過多にすると、ほんと見てられなくなるんだなと思った。

そして主人公のハードボイルドのノリについて行けないハウスマンとマイケルペーニャは体よく退場させられてた。っぱイケてない奴とか要らねーんすわ笑。殺すのもあれだから勝手にしんどいてよ笑。ってことなんでしょ?
しかし、時代遅れになったこの価値観を未だ無邪気に称揚する映画があるってのは愉快だし、ある種の人にとっては世間の息苦しさから逃れる避難所みたいな機能を持つのかもなと思った。

ハウスマン博士はゲームオブスローンのあいつだった。
最終的についでみたいに死んじゃうけど、マイケルペーニャは可愛かった。

・本作で1番面白かったシーン
ドアを使って"ナノロボットの群体"を挟み、動きを止めるシーンが馬鹿すぎて面白かった。主人公の行動はナノロボットが群体であることを考慮していないし、ナノロボット自身も自らが群体であることを忘れたような間抜けな画。
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