MALPASO

世界で一番美しい少年のMALPASOのレビュー・感想・評価

世界で一番美しい少年(2021年製作の映画)
3.7
映画『世界で一番美しい少年』

映画が始まって延々誰も喋らない名作『ベニスに死す』。音になるまで変な映画としか思ってなかった。当時15歳で見出され、美少年のアイコンとなったビョン・アンドレセン。
ルキノ・ヴィスコンティ監督によって名もなき少年が"世界で一番美しい少年"として世界で一大センセーションを巻き起こした。

映画『ミッドサマー』で老人となったビョンの姿に驚いたばかり。とはいえ、どんな人でも老いて姿は変わって行くので、その驚きは僕の勝手な主観。しかし、彼の半生のほうがその何倍も驚きだった!

ビョルンを見出したヴィスコンティ監督はアラン・ドロンとも噂のあったバイセクシャル。美少年、美青年を描くことに長けていた。なんとあのココ・シャネルとも仲良く、ルノワールと一緒に仕事をしたことが映画監督へのきっかけという”歴史上の人物”!そして、ヨーロッパのジャニーさん!

ヴィスコンティが理想の少年を探すオーディションの様子。メイキングの映像と貴重な記録が観れる。あの酒井政利さんがプロデュースし日本語のシングルも出したり、池田理代子が『ベルサイユのバラ』のオスカルのモデルにした。日本でも熱狂ぶりが面白い。まだ外国人が珍しい時代。この頃、『小さな恋のメロディ』のマーク・レスターも人気だったが、やはり長いブロンドの少年。

同性愛の男性をはじめ大人たちに翻弄された不遇の半生。ビョルン自らがこれまで関わった人々に会いに行くという展開が面白い!

かつて天才子役と呼ばれた人たちが次々と破滅の道を歩んだ。今では先人の例を学習したのか、少なくなったように感じる。一体なにが彼らの運命を狂った方向に導いたのか?その一例としても興味深かった。

おもしろかった!