胸がざわつく。
感動ストーリーとされている本作らしいが、何だかそうじゃない意味で、終始胸がざわついた。
広がる荒野、湿地、
たてがみをなびかせ駆け抜ける白い馬、
美しすぎる少年…
…ざわつく。
モノクロなのに輝き浮かび上がる白馬の存在感はなんなんだ… しかしモノクロだからこそ現実もより美しく描かれた画に感じられる、一種のエクスタシー。
そして少年と白馬が確実に築いてゆく絆。
相手の気持ちを理解もせず、支配しようという欲の塊の人間たちとは違って、彼らの間には確かな<心>が存在した。
…しかし、なんだろう。
私がラストで感じた、最後のざわつき。
少年は、あのラストで本当に良かったのか…?
嫌いではない、むしろ好き。美しい。でもそのシーンに残る心のざわめき。
あれでよかったのだ、とも思えるし、果たしてそうしなきゃいけなかったのか、とも思う。
この作品を私は「泣ける感動」とは捉えられなかった。むしろ「心が揺れる感動」をもらった映画だった。