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ワース 命の値段のhirobeyのネタバレレビュー・内容・結末

ワース 命の値段(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

実話に基づく物語。

マイケル・キートンが特別管理人を無償で請負う弁護士を好演。「スポットライト世紀のスクープ」でもいい役だった。マクドナルドの創業期を描いた「ファウンダー」だけは、どうにもハマらなかったが。

前に進むためにお金が必要という考えは間違っていないし、実際にそういう仕事をしなければならない人もいるのは理解できる。

ただ、遺族に対しては、お金を全面に出して話をするには、遺族の気持ちが落ち着いて現実を受け止められるようになるまでの時間が必要だし、寄り添っていることを示して信頼関係を築かないと難しいだろうと想像できる。

訴訟大国ならではという側面もあって、航空会社らを訴訟から守るという裏の目的もあったこの救済プログラム。9.11から、あまり時間を置かずに始まったことが、作業を難しくしていることもあるのか?

高名な弁護士が司法長官から無償で引き受けた仕事で、挫折しながらも、助言から考えを改め、遺族と向き合い結果を残すことができたというベテラン弁護士の成長の記録でもある。

命の価値は平等という考えもあるが、現実にはそうはなっていない。交通事故や損害賠償請求でも計算式に基づき算定される命の価値。

同性愛者が救済を受けられなかったり、隠し子へも救済の手を差し伸べたり、サイドストーリーの展開も、実際にあったことだろう。

映画的には、もう一歩盛り上がりがあると面白かったかもしれないが、題材が911だけに、また、今も救済が続いている現状からドラマチックにしすぎない配慮があったのかも。
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