ケイスケ

チェルノブイリ1986のケイスケのレビュー・感想・評価

チェルノブイリ1986(2020年製作の映画)
3.1
最初のドラマパートがかったるくてマジでシーンスキップしようか迷いながら観てた。

1986年、ソビエト連邦下のウクライナ。消防士のアレクセイは10年ぶりに再会した元恋人オリガと人生を共に歩みたいと願うが、地元にあるチェルノブイリ原子力発電所で爆発事故が発生。事故対策本部の会議に出た彼は、大量の放射性物質が放出される深刻な水蒸気爆発の危機が迫っていることを知る。

チェルノブイリ原子力発電所事故を題材にした作品といえばHBO製作のドラマ『チェルノブイリ』ですよね。あれはもうほとんどホラーでめちゃくちゃ怖かった。話数も5話と観やすいのでオススメです。本作も原発事故の恐ろしさが描かれており、特に貯水タンクの排水弁を手動で開ける決死隊の場面はドラマに引けを取らず絶望感があった。

ただ演出が微妙なところも多々あって、決死隊の打ち合わせをしている人たちがみんなタバコを吸い出してソワソワするのもなんか安っぽい演出だし、全体的に少し淡白なんですよね。あまり比べすぎるのもどうかと思いますが、被曝者の描写もドラマのチェルノブイリの方が凄惨です。

本作に関してはドラマと描く内容が違うのはわかります。ドラマは原子炉爆発に至る経緯から裁判までを描いてますが、本作はその辺りはオミットされています。代わりに本作は前述した決死隊の比率が多くなっています。ただ「ここは地獄だ」と言う割にはあまり大したことなく見えてしまうんですよね。ドラマだと黒鉛の破片を片付けるシーンが好きだったのでそこも見たかった。

もちろん映画やドラマで描かれていることよりも現実で起きたことの方が悲惨な状況だったろうし、終息を目指し必死に戦った人々がいたことは忘れてはいけません。特に映画やドラマでも描かれてましたが、事態がわからず消火作業にあたった消防士の方々は本当に辛い状況だったでしょう。二度とこのような悲劇が起こらないように、今だからこそ鑑賞してみるのもいいと思います。