花束みたい〜みたいに恋人たちが出会ってから別れるまでを描いた映画で、正直めちゃくちゃ好みドンピシャだと思わずに観たんだけど、めちゃくちゃ好きだった…
序盤から映画的ショットの工夫がたくさんあって面白いな〜と思いながら観て、映画ならではというか、その部分が多くて引き込まれた。例えば、照明を照らした瞬間にタクシーのライトがつくショットに変わるのとか、テルオの時計からパンしてベッドにうつるショットとか。
繰り返しを何度も映して飽きさせないってすごい！全然くどいって思わなかった、
ケーキの演出ほんとにほんとにびっくりしたんだけど…
別れた後に、ダンサー時代は食べられなかったケーキをバーでテルオが食べてケーキ話を後輩の女の子(河合優実さん出ててブチ上がった好き)とケーキ話したあとに、2人がすれ違いで喧嘩してテルオがタクシー降りて一人でケーキ食べるっていう流れ！
本当にびっくりした。
あの時ダンスをやめるか続けるかの瀬戸際で、食べたことでダンスをやめるっていう演出なのはもちろんそうなんだけど、テルオがケーキ食べれないっていうの分かってながらケーキ渡しちゃうヨウちゃんの、そういう部分を、あんだけ言い争ったのに一人になった時に実はテルオは受け入れてる不器用な2人のすれ違いが、テルオがケーキを食べるっていうそれだけで表現できたのがすごすぎて、うわーっ
言葉ではっきり、どんなテルオも受け入れるというヨウちゃんと、言葉にはできないけど受け入れる行動をするテルオの、なんかさー、この、一口食べるっていうアクションだけで表現できるんだと思ってたまげたよ…。大げさな演出とか説明的なドラマチックなセリフとかいらないんだって思った。
ヨウちゃんと別れてから、恋人やパートナーがいないテルオが迎える誕生日に、恋人以外でバーのマスターとマスターの恋人に祝われてるのがすごい良かった。
後輩の子とくっつくわけではなくて。
恋以外の大切な人がいて、誕生日祝われる人格の主人公だったから観てよかったって思う映画だったのかも。
マスターを典型的なゲイ像で描いていないのも良かった。
すごく今の自分と重ねちゃって観てよかったって思うのと同時になんで観ちゃったんだ…て思う。なにしてんのー、！
私もいつの間にかママになってんのかな。
