このレビューはネタバレを含みます
時間が出来たので今更ながら。
同じ1日の出来事を一年ずつ逆行して描く構成が切なく、美しい。
伊藤沙莉と池松壮亮のタクシーの長回し、一緒にケーキを食べるシーン、水族館のシーン…自然で何気ない会話劇が見事。
クリープハイプは個人的に好きなので、exダーリンの弾き語りも印象的。
コロナ禍の映画。
渦中の年から映画が始まり、コロナ以前の生活に遡ることで、仮にリアルタイムで見ていたら失った日常の空気感に懐かしさを感じるような演出だったのだろう。
そんな映画を、マスク着用が任意となりコロナ禍さえも懐かしいものになりつつある今見ると、作中で「今」として描かれているコロナ禍も、もはや「過去」のものになっているという不思議な感覚。
5年後、10年後にあのコロナ禍のことを自分はどう思い出すのだろうか、などと考えた。