ひらさま

スプリングフィールド銃のひらさまのレビュー・感想・評価

スプリングフィールド銃(1952年製作の映画)
3.4
南北戦争の最中、北軍が軍用馬を南軍に掠奪される事件が続発
歴戦の勇者である北軍将校が移送の指揮官に抜擢され、険しい山越えルートで移送を図るも砦の目前で南軍の待ち伏せに会い、馬を捨てて退却する
多勢に無勢、部下の命を守る為の決断だったが、その部下から職務怠慢、敵前逃亡などで訴えられ軍法会議にかけられて、結果軍籍を剥奪され軍から追い出される
さて、汚名を着せられた北軍将校が反撃して、最後には汚名を晴らす…そんな正統派西部劇的展開を予想したものの、意外な事に本作は西部劇の皮を被ったスパイ映画だった
北軍将校の不名誉除隊は意図的で、実は北軍内に存在する南軍のスパイを、外部から炙り出す目的で仕組まれたモノ
北軍将校は危ない橋を渡りながらも、敵のスパイを突き止める
この北軍将校役がゲイリー・クーパー
相変わらず善良で常識人っぽい顔立ちの彼が、例によって無表情に近い感じでスパイ役を演じる
実際のスパイって多分こんな感じの人が多いと思う
ところでタイトルのスプリングフィールド銃は何処へ?
最後の最後に思い出したかのよーに活躍します
敵スパイ一味を追い詰めた北軍はスプリングフィールド銃を実験的に実戦で使用
長距離狙撃が可能な上、銃弾装填のロスを無くし、連続的な発射も可能とした優れものライフルの効果は抜群で、敵をバタバタと倒す
スプリングフィールド銃が実際に米軍に採用されたのは20世紀初頭の頃で、本作に登場するのは極めて初期の試作モデル
やっと出てきて一安心
監督のアンドレ・ドトスはアクション派でB級中心ながら、時折本作のようなA級クラスも任されており、馬を絡めての派手なアクションや危険すぎるスタントで本領発揮
ややこしい本筋では多少モタつくも上出来かと