MasayukiHida

麻希のいる世界のMasayukiHidaのネタバレレビュー・内容・結末

麻希のいる世界(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

向井秀徳氏のクレジットと女性2人の映画であることだけ事前知識としてある中で視聴。結果として短時間での感情の起伏が激しく、視聴後にどっと疲れる映画となった。

序盤の2人のコミュニケーションにおいて、麻希は少し距離をおいた妖艶な笑みを浮かべ、ミキは歪なほどに距離感の近い人懐っこさを見せる。淡い色使いに少し色飛びした絵、そして最後に歌われる麻希歌唱の"ざーざー雨"。
夢見心地が過ぎてこの後の現実が容易に予想できる点が良い。その後、麻希がどれだけ自分を杜撰にした生き方をしてるかなどをミキは追体験する。どんどん周りの環境は崩れ、元に戻れないほどに崩壊していく。

壊れゆく世界の中で、ミキは麻希に固執する。この時点で自分の映像への探り方が間違っていたことに気がつく。
きっとミキは麻希が好きな理由なんてない。なんとなく、巡り合わせ、それ以上でもそれ以下でもないんだなとここでやっとわかる。
どこか説得する論理のようなものを物語に求めがちであった点を反省した。

記憶を失った麻希には排水管の音源は本来の過程などを無視されて麻希に届くし、ミキは麻希と理想の関係になるこたはもうないだろう。でも、この世に存在してるというだけで喜べる、そういう存在がいることは何もおかしいことではないなと思う。
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