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叫びとささやきの一のレビュー・感想・評価

叫びとささやき(1972年製作の映画)
3.6
スウェーデンの巨匠 イングマール・ベルイマン監督作品

19世紀末、ある大邸宅を舞台に、病に苦しむ娘とその家族を中心に、女性の愛と孤独、生と性を強烈な色彩で描いた人間ドラマ

久しぶりのベルイマンは格別に良かった
思っていたよりも見易い物語で、鮮やかな赤を基調とした強烈な色彩をふんだんに使った色使いのコントラストがお見事
それも部屋や背景、小物だけでなく、シーンの移り変わりにまで赤を使うという徹底ぶり
そして静かに鳴り響く時計の音が張りつめた緊張感を効果的に生み出す

映像的にはものすごく美しい反面、次女の死がきっかけで崩れていくドロドロとした人間模様が容赦なく展開される

女性の孤独感を生々しいほどリアルに映し出し、象徴的に使われる鮮烈なカラーを持ってしても、終始重く不穏な空気が漂う不気味な世界観

そんな美しくも恐ろしさが勝ってしまう鋭い世界観を構築し、三姉妹の愛と憎しみをが深く刻まれる
ベルイマンらしく非常に芸術性の高い作品でした

〈 Rotten Tomatoes 🍅90% 🍿91% 〉
〈 IMDb 8.1 / Metascore - / Letterboxd 4.1 〉

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