MasaichiYaguchi

レジェンド・オブ・フォックス 妖狐伝説のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.0
東京・シネマート新宿で開催された「のむコレ'21」で、落ちこぼれ妖狐と人間の青年が繰り広げる大冒険と友情を描いた中国発ファンタジーアクションである本作を鑑賞。
主人公の狐の妖怪・十三は狐界きっての落ちこぼれで、憧れの狐仙になるには人間を殺して「丹」を得なければならない。
或る日、伝説の九尾の狐仙になれるという「白丹」を持つ人間がいることを知った十三は、人間界にやって来る。
その人間は役人になる試験「科挙」を受けるため都を目指す貧しい書生・子進で、十三は先ず子進の信頼を得る為、彼のピンチを救う等の手助けをしていく。
本作はジャンル的に妖怪物になると思うが、怖いというより脱力系の笑いを交えた青春友情物と言った方が良いような気がする。
勿論、妖狐をはじめとして幾つかの妖怪が登場するが、ハリウッドのVFXを見慣れているせいもあって、それらがパペットのようなレベルで迫力に欠ける。
筋立て自体は、猪八戒と沙悟浄のいない「西遊記」を彷彿させるもので、三蔵法師のように善なる心と優しさを持つ子進と、自分勝手でマイペースな十三が道中を通して触れ合い、心を通い合わしていく内容になっている。
二人の旅の果て、子進は科挙に合格するのか、そして十三は彼を殺して「白丹」を得るのか?
映画の幕開けと対を成すラストが温もりを残します。