ペルシャ猫

名付けようのない踊りのペルシャ猫のネタバレレビュー・内容・結末

名付けようのない踊り(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

田中泯さんを存じ上げずに鑑賞。

畑仕事で仕上げた身体で踊る泯さん。

その踊りに込められた想いは余りにも抽象的過ぎて、凄まじいエネルギーを全身に迸らせて踊る泯さんを観客としてうまく受け止めきれなかった。不思議と観ていて身体がfrustrationを覚えて、なんだかイライラした(全然悪いことじゃない!)。泯さんのダンスに自身の中の何かが呼応してるけど、そのナニカの正体が分からない!というfrustration 笑。後半は”もういっぱいだ”、と思ってしまった。

幼少期に死体をいくつか見てきたこと、そして戦後の無秩序な社会の中でしばらく身を置いて生きてきたことが彼の持つ強烈な生々しいエネルギーの源になっているのかもしれない。子供の時の自分を”自分の子ども”と表現してたの、なんか好き。

“自然を目の当たりにした際に、違う時の流れがあることを実感した”(合ってるかしら)みたいなことを言ってたけど、泯さんの踊りを鑑賞していると、彼にもまた私とは違った時間が流れてて、私には到底理解できないような、”違うもの”が視えているんだろうなと、感じた。


P.S.
彼のダンスを鑑賞していたフランス人が、”(泯さんの)ダンスを観る人の中には、心の中でダンスを踊ってる人も多いと思う”って発言してたけど素敵なコメントだなぁ。


“場踊り”を街中で披露する際に、泯さんを囲んで熱心に鑑賞してる観客がなんだか滑稽だった。思わず一緒に踊る人や、小さい子が後をつけてくることもあるらしい笑 そういうのってなんだかいいな。