みむさん

アウシュヴィッツの生還者のみむさんのレビュー・感想・評価

アウシュヴィッツの生還者(2021年製作の映画)
3.8
トロント国際映画祭にて。

「レインマン」「スリーパーズ」のバリー・レヴィンソン監督作。
役作りでベン・フォスターが体重増減両方敢行、痩せたベンは言われなければ気づかないレベル。

アウシュヴィッツで看守の娯楽のためにボクシングをして生き延びた実在のボクサー、ハリー・ハフトを演じてる。
壮絶な過去に囚われた男が生きる目的や愛をみつけ人生を取り戻そうとする話。
ボクサーが主人公だがスポーツドラマとはちょいと違う。
こんな話もあったんだねぇ。

ハリーの回想と現在を交互に描く。
彼の場合また特殊で、見世物ボクシングのお陰で生き延びるために壮絶すぎる決断をしていて、それを見せられる観客も苦しくなる。後にPTSDとしてずっと消えない痛みとなるのは当然。

戦争が終わって平穏になるはずが興味本位で寄ってくる人たちがいたり、息子にその壮絶体験や苦しみを話すか相当悩んだりと、ハリーの人生苦悩だらけじゃないかと思うほどだった。

そんな辛すぎる話ではあるが希望があるのが良い。

監督が5歳の頃に祖母の弟が突然家に来て、彼は叫んだりしてて不思議に思ったらしい。いつのまにかその人は家から消え、監督は後に彼がホロコーストを生き延びた人だったと知ったとか。そんな体験があったからこの映画には個人的な思いがあると言ってたなぁ。

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