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わたし達はおとなのmaroのネタバレレビュー・内容・結末

わたし達はおとな(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2022年日本公開映画で面白かった順位:45/83
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

予告編で観た直哉(藤原季節)のモラハラ全開なセリフが印象的で鑑賞することを決めた作品。
うん、これはなかなか、、、辛い。。。

あの予告だけを観ると、同じ男の目線から見ても、「いやー、これはちょっと、、、世の中の女性を敵に回す言い方じゃないか、、、」とヒヤヒヤ。
実際に本編を鑑賞しても、直哉の言い方はもっと他にあるだろうと強く感じる。

ただ、彼の言っていることは別に間違ってはいない。
間違ってはいないけど、そもそも正しい正しくないの話じゃないんだよね、もはや。
また、あの論破してきそうな正論の押し付けみたいなスタンスと、自らの正当性を誇示したそうな言い方は、少なくとも結婚して長くいっしょにいたいと思わせるには程遠いコミュニケーションの取り方だった。

しかも、優実(木竜麻生)は妊娠してて、けっこうつわりがひどい体質っぽそう(よく吐いてたし)。
それであの接し方かよって。

でも、直哉の言い分もわからないでもないんだよな。
突然の彼女の妊娠。
それによって人生プランの変更を余儀なくされる。
さらに一番難しいのは、「誰の子かわからない」っていう状況。
突然子供ができたことを告げられたものの、それが自分の子供じゃないかもしれないって。
これはかなり複雑な心境になるだろうな。。。

とはいえ、そもそも直哉自身も避妊しなかったのだから、妊娠自体は想定しておけよとは思う。
あと、優実が他の男性と関係を持ってしまったきっかけも、間接的にはだけど直哉が作ったんじゃないかなあと。
直哉の元カノがかなりヒステリック(その怪演もよかった!)で、このままじゃヤバいってんで、何の前触れもなく優実に一方的に別れを告げたから。
それで、優実は振られた気晴らしで合コンに参加してっていう。
まあ、みんな大学生だからね、若さゆえの過ちって感じもするけど。

結果的に、ほとんど直哉が悪いのではと個人的には思った(笑)
どうも彼は言葉足らずというか、自分の主張を貫き通したいだけでなく、劇中では明確なシーンはないけど、多分短気なんだよ。
優実に「すぐ怒るじゃん」って言われてたから。
そこもまた、うまく2人でコミュニケーションを取れなくする要因なのかなと。
もちろん、優実がまったく悪くないわけではないけど、、、直哉がもう少しいろいろ丁寧だったら防げたことはたくさんあるかも(笑)

そういう男女のいざこざをメインにしつつも、ラストの「どんな絶望的な状況でも人は腹が減る」っていうメッセージ性に溢れた終わり方は好きだった。

そんなわけで、映画というよりも、とあるカップルの日常に密着取材したんじゃないかってぐらいのリアリティーある作品だった。
話は淡々としているけど、主演2人の演技がすごくよかったので、個人的にはかなり楽しめた。
全体的に胸糞系なので、男女で意見分かれそうかなー。
特に妊婦さんが観るとかなり体力を持っていかれそうなので、あまりオススメしません(笑)
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