登場人物全員大っ嫌いDeath！ヒリヒリする恋愛ものもそれなりに見慣れてきたと思っていたのに、これ作った人の血は何色をしているのでしょうか。
観る前の印象：『花束みたいな恋をした』みたいなのかな？
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観た後の余韻：糖質ゼロの『ちょっと思い出しただけ』みたいな映画だった
たかだかグリーンピースごときでこれほどのヘイトを稼げる男は中々いない、イライラを通り越して感動に近い感情が湧き上がってきた。藤原季節さんのクソ男っぷりが素晴らしすぎてリアルに嫌いになれる、いやむしろ嫌いでいたいので本人もクズ人間であってほしいという謎の願望まであった。映画を観ている間、ムカついたときは藤原さんの鼻の穴にグリーンピースをねじ込むことだけを考えていた。とにかく藤原さんの演じる彼ピが絶妙な薄っぺらさだった。
最近何となく観た『鈴木家の嘘』で初めて知った木竜麻生さん、その作品では長台詞の独白が印象に残っていたけど、本作もエンドロール丸々1カットなど気合の入ったシーンが多い。彼ピが酷い奴だからこの人に同情できるのかといえば全然そんなことは無く、彼氏、女友達、元カレ、父親と態度を使い分け、全てを観ている鑑賞者に絶妙な苛立ちを提供してくださる。明らかに大学生が一人で住む部屋じゃないだろという場所に親の仕送りで生活している。
時系列を行ったり来たりして、二人の馴れ初めの場面や旅行に行った時のことを、ちょっと思い出しただけなシーンが随所に挟まれるが、楽しい場面があるわけではないので、私はなぜ今こんな感情になりながらも映画を観ているのだろうという葛藤と戦うことになった。いや、楽しい場面もありました。元TOHOシネマの幕間のお姉さんが刃物を持って藤原さんを追いかけ回す場面はめちゃくちゃ楽しかったです。
タイトルとかジャケット写真のエモそうな雰囲気に惹かれて観たであろうカップルの少しバツの悪そうな雰囲気を察して、性格の悪い私はこの日一番愉快な気持ちになったのでした。
