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レイジング・ファイアのzogliのレビュー・感想・評価

レイジング・ファイア(2021年製作の映画)
2.7
拡大公開になってシネコンでも上映されるようになったのでやっと観てきた

過去話とアクションに尺を割かないといけないのもあって話の配分が微妙な(爆弾から最後のエピソードまでの展開とかも駆け足すぎる)気がするし、爆弾のとことか話にいろいろ無茶があって雑だし(ワイヤー一度に全部切ろうとするなw)、無実の一般市民あまりにもまきこまれすぎだし(ハリウッドのヒーロー映画とかも一般市民巻き込まれるけど 名もない人たちが傷付いて血を流してる姿だけをわざわざ画面に入れないからね)、俺とお前のメモリー的な映像もややチープで笑っちゃうし…東洋的価値観のせいだけではないけど画面の作り方はスタイリッシュではないというかちょっと古臭い要素を感じてしまうし、文句言いたいところもわりとある
だけど、もう戦闘シーンが素晴らしくて文句取り下げる感じ

火薬盛りすぎな銃撃戦もいい出来ではあるんだけどやはり肉体で闘うアクションが最高で、期待以上!
アイデアに溢れた場面移動や武器/攻守の入れ替わりはハリウッドのお行儀のいいファイティングコレオグラフがついたアクションでは得られない興奮がたたみかけるように迫ってくるのでさすがよな…と!
部屋の床が抜けて下階に落ちたり、謎の建物の外壁にある櫓みたいなやつ/室内に何故かある工事の足場みたいなやつを戦闘に利用したり、ピアノファイトとかもだけど往年の香港映画の戦闘シーンのお約束的モチーフなものもありつつ泥臭く撮られていて尚更楽しかった
ドニーイェンはやっぱ銃構えてるよりも肉体を駆使してほしかったのであの貧民街みたいなとこと最終戦は大満足、たとえ着てるのがスーツやシャツでもね!
ニコラスツェーの造作の整った品の良いキチガイ役も良かったよ〜〜〜バタフライナイフをチョイスした製作陣に3000点💮
顔が良いだけじゃなくここまでアクションもやるのか香港映画とその俳優達は!ちょっと見目の良い芸能人連れてきて芝居させてみるだけの我が国の映画はかなうはずもないよね…
あんなにガラス割って車ダメにして映画撮る力も金ももうこの日本にはないので、ハード面もソフト面も心底羨ましい
中国共産党の影響でほんの数年前とはすっかり変わってしまった香港でこれが撮れたのは驚きでもある

昼の雑踏、夜のネオン、ひしめきそびえる高層ビル…香港がとにかく恋しくなった
街角の飲茶また行きたい
また知らん地元のおっちゃんと円卓相席にされて、死ぬほど濃いポットの普洱茶飲みながらおばちゃんがワゴンで運んでくる名も知らない点心食べまくりたい
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