バイクと車で並走しながらのアクション、得物にハンマーを使うアクションが新鮮。
特に後者は、"動きのキレ"を重視する肉弾アクションに"一発一発の重み"が付与されていて、観ててすごくハラハラさせられる。
後半に向かってのアクションは噂に違わぬ迫力。
だが、ストーリーの合間にチョン(ドニー・イェン)とンゴウ(ニコラス・ツェー)が決別する過程の回想が挿入されるが、やや編集が雑で混乱したのは自分だけだろうか?
冒頭はまだいい。チョンが雨の中走ってくるカットから、彼がベッドで目覚めるカットに繋ぐことで過去に何かあった事は示唆されている。
だが、それ以降の現在のシーンと回想シーンの切り替わりがあまり明確ではない上に、回想シーンが何回かに分けて挿入され、さらに現在のパートは誰かを尋問したり誰かを誘拐したりと、人物関係がアレコレ交錯してる下りだから余計にゴチャついた印象を受ける。
wikiによると最初に編集したバージョンは3時間もあったそうだから、編集にはかなり苦戦したことが窺える。
それに、「この映画は単純な勧善懲悪ではないですよ」という体だが、ンゴウの計画は別に警察の腐敗や欺瞞を世間に暴くわけでもなく個人の復讐に留まっているのが(しかも殺し方が淡白)、落とし所として中途半端。
無駄な登場人物たちが整理(死んで物語から退場)された後半からやっとギアが入った感じだから、最初からアクション全振りだったらどうだっただろう?と考えてしまう。