時系列と言って良いか分からないがザックリ言うと【プライベート・ライアン】等で知られるノルマンディー上陸作戦の後、【バルジ大作戦】の前、つまりその間にある悪名高い"マーケット・ガーデン作戦"(劇中でもパイロット目線で描かれている)から繋がる話。
3者の目線からラストに向けてリンクするで戦争映画と言えばこの映画のチョイと前に【ダンケルク】がある。
(リンクの仕方は全然違うけど)
アチラはやはりノーランお得意の変則的時間軸構成とハリウッドなデカい予算に見合ったエモーショナルなエンタメ感が強い。
(ソレはソレでもちろん構わない話)
コチラは正に質実剛健、オーソドックスながら重厚で重いリアリティ重視の戦争映画。
ド派手な爆発等は無いが、無惨な消耗戦をしっかりと見せる。
(言うてもコチラだって決して安い予算ではないし、ソレに見合う以上の迫力はある)
戦争の悲惨さを伝えるには充分な演出力だと思えた。
主要3キャラクターの描き方も丁寧。
それぞれ良い方向で印象も強い。
あえて俯瞰的に考えるとナチス側の1人も占領下のオランダ人でありながらドイツ軍として戦う若者っていうのが単純に〈ナチス=悪〉と見せてない巧さというか何というか、まぁ語彙力ゼロで言うなら
『 戦争、ダメ、絶対。』
という結論に至るのが秀逸だったり。
誰もハッピーエンドじゃない〆方。
作り手の本気が感じられる。
ドライな言い方をすれば 日本で広く劇場公開して大ヒットさせる様な華は無いが、スクリーンで観たかったという気持ちになるぐらい ワシには刺さった映画だった。
コレは良作!