デニロ

猫は逃げたのデニロのレビュー・感想・評価

猫は逃げた(2021年製作の映画)
3.5
家にも猫が二匹いることは散々書かせていただいたのでその有様は省きますが、その猫が失踪したらわたしの連れ合いはますますおかしくなるのではあるまいかと心配になる。いや、彼女のことを心配するのではなく、わたしにその怒りが向かってくることが明白なのだ。

そんな不安げなタイトルだったが中身はそんな話ではなかった。今どきの男女カップルはこんなもんです、とでもいうのだろうか。そんな男女の話でした。もはやセックスなどご挨拶代わりではないか。

猫。本作の雄猫カンタは太り過ぎではないか。外にも出しているのでいろんなおうちでご飯を頂いているのだろうか。そんなシーンはなかったが。女優の薄い胸を観ながら猫の方が肉付きがいいな等とどーでもいいことを思う。こんなに太っちゃ腎臓病にもなろうというものだ。

終盤に至って主要な登場人物の住み家が狭い範囲で固まっているのを観て小さい話だなと興醒めしつつ、四匹の子猫をそれぞれが引き受ける姿に彼らの別れを予感する。山本奈衣瑠がカラオケ店でひとり歌い続けた「あなたに会えてよかった」のシーンを思い浮かべざるを得ないのです。
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