梅ちゃん

雨を告げる漂流団地の梅ちゃんのレビュー・感想・評価

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)
4.0
団地が大海原を漂流するというインパクト!どうしてこうなった!?😳

その構図は単純にカッコ良く、いきなりワクワクさせられる。同監督作の『ペンギンハイウェイ』の様な、勢いのある画造りは今回も健在でした。😊

自分も少年時代を団地で過ごしていたので、登場人物達に自ずと心情が重なりました。僕の中では、団地=少年期の象徴 であり、団地との別れ=大人になる ということ。本作においては、団地との物理的な離別を通し、少年少女の成長が描かれていましたが、とてもノスタルジックで甘酸っぱい感覚を思い出させてもらいました。なお、タイトルから当然想起される名作、『漂流教室』ほどの悲愴感がない点も、作品のイメージに合致していて良かった。😆

相当に突飛な設定ながら、思春期特有の、環境の変化に伴って、自らも変化して行かなければならないという焦りや不安、そして、支えとなる家族や友人の有り難さという、誰もが感じるであろう普遍的なテーマにつき、しみじみと考えさせられる良い作品だったと思います。😭



以下、若干のネタバレ含みます。



劇中の登場人物、のっぽ君の出自については、万物に神が宿るという発想を持つ、日本ならではの設定だったと思う。その存在が人格を持ち、コミュニケーション可能となることで、少年少女の成長、すなわち 少年期=団地 との決別が、より繊細かつ感傷的なものとして描かれていた点も実に印象深い。😆

そして僕ものっぽ君に会いたかったのです。🥲