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雨を告げる漂流団地のなごhobbyのレビュー・感想・評価

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)
3.2
 ネトフリで大々的に宣伝されてたアニメ作品。絵が綺麗で鑑賞した。

 幼なじみの航祐と夏芽。小学6年生になった二人は、航祐の祖父・安次の他界をきっかけにギクシャクしはじめた。
 夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。その団地は、航祐と夏芽が育った思い出の家。航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、謎の少年・のっぽの存在について聞かされる。すると、突然不思議な現象に巻き込まれ――
 気づくとそこは、あたり一面の大海原。
航祐たちを乗せ、団地は謎の海を漂流する。
はじめてのサバイバル生活。力を合わせる子どもたち。果たして無事に元の世界に戻ることはできるのか。


 主人公たちは小学生なので、それぞれが遠慮もなく思ったことを口にしてしまう。それゆえに喧嘩したり、落ち込んだり。ただ、そうやって成長していく子どもたちの姿が繊細に描かれていると感じた。
 大人になった自分がその姿を見ると少しわがままだなと思ってしまうが、子供達にとってはそれが一生懸命に感情伝える手段なのかなと改めて考えさせられた。
 ただ、その部分を繊細に描き過ぎようとした結果、映画としてはくどくて、物語のテンポが悪く感じたのが残念だった。
 建物を擬人化するというアイデアはとても良かったと思う。自分も幼い頃に行っていた遊園地が閉園した時に感じた寂しい気持ちが思い起こされた。

 久しぶりに色々考えさせられる長編アニメ映画だったなと思う。この監督の他の作品も見てみようと思った。
 
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