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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのTSのレビュー・感想・評価

3.6
【日本が誇るキラーコンテンツ】76点
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監督:アーロン・ホーバス/マイケル・ジェレニック
製作国:アメリカ
ジャンル:アニメ
収録時間:92分
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 2023年劇場鑑賞17本目。
 生まれ故郷である日本より先に海外で上映されてメガヒットを記録したスーパーマリオブラザーズの映画。ニンテンドーとイルミネーションがタッグを組むとこんなキラーコンテンツとなってしまう。ここに来てスーパーマリオ。考えてみればマリオの映画がないということに違和感を覚えなければなりませんでしたね。いろんな版権などが絡んだのかもしれませんが、ついに夢のような映画が実現しました。まさしくお祭り映画。ただし、往年のゲームファン向けの映画であるため、マリオシリーズの予備知識がないと楽しさは半減してしまうでしょう。

 ストーリーは単純明快であり、異世界へと誘われたマリオは、弟ルイージの救出と、キノコ王国をクッパから守るため動き出すというもの。意外と知られていないのが、マリオとルイージは元々配管工業を営む双子ということ。そうなれば、作業服のようなファッション、土管が強調されるのもわかるような気がしますが、確かにここから得体の知れないキノコ王国のイメージとマリオ達がマッチングしていくのは面白い。キノコを食べたら巨大化する、フラワーに触れるとファイヤーを放てるなどは、ゲームファンとしては当たり前の現象であるのですが、ただの配管工業の作業員であった髭のおじさんが、ここまでファンタジックになってしまうのは何故かというところも気になるところです。

 これでもかというくらい、マリオシリーズのBGMが流れますし、ヘイホーやカロンなどの敵キャラにスポットを当てているのも微笑ましい限りです。これといって変わったことが起こることはなく、勧善懲悪の展開が続くのですが、やはりゲームを長年してきた者からするとこれは最早観るゲームであり、知らず知らずのうちにワクワクしている自分がいましたね。個人的にはスーパーマリオブラザーズ3のあれらの音楽が流れたのは嬉しかったですし痺れました。

 敵キャラのクッパも絶妙に憎めないキャラに仕上がっています。マリオの因縁の相手ともいえるドンキーコングも出てきますし、これは日本界のアベンジャーズなのでは笑 勧善懲悪という王道展開に、確固たる兄弟愛も拝める今作。いろんな意味で無難な映画という他ないでしょう。

 しかし、これ程まで劇場が埋まるなんて久々の現象です。子ども向けでしょうから、劇場の席が満席になるというのは大方予想はしていましたが、それでもレイトショーでもこれだというのには驚きました。軽く3日間で18億円を突破しているようなので、今年最大級のキラーコンテンツになること間違い無いでしょう。映像も綺麗ですし、懐かしのBGMやキャラが登場します。マリオシリーズのゲームに詳しければ詳しいほど、興奮する映画なこと間違い無いでしょう。

 ただし、お世辞にも映画としての出来が素晴らしいかと聞かれると必ずしもそうでもない。及第点ではありますが、それはマリオシリーズが映画化されるという話題性が主な要因であり、この脚本で2.3作目と攻めていくとどんどん失速していきそうな気もします。エンディングに出てきたあれを観ると、2作目もやる気満々でしょうし。。せっかくこれ程までのロケットスタートを記録したのですから、どうか調子に乗りすぎず、落ち着くところで着地してもらいたいと思います。

 ちなみに今回は吹き替えで見ましたが、マリオの声が少し思っていたものと違いました。ルイージはそこそこフィットしていましたが。。やはりマリオの声は、かの甲高いなんともいえない声が馴染んでいますかね。。
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