磨

ペルセポネーの泪の磨のレビュー・感想・評価

ペルセポネーの泪(2021年製作の映画)
3.3
リアルとファンタジーが交錯する渡部秀、剛力彩芽W主演作。信越放送70周年を記念して製作された、長野県千曲市を舞台に描かれた夫婦愛の物語。

まず千曲市の景色が良い。田舎なんだけど、行き過ぎてないちょうど良い田舎。自分も大概な所に住んでるけど、もう少しワチャワチャしてるし(人口は似ているものの密度が倍)、冒頭の屋根から見る景色は素直にイイなぁ‥と思った。
撮影監督は「カメ止め」の曽根剛(永遠の1分の監督)なので、やはり撮影技術もあるのでしょうか?

こういった地域発信作品の場合(予算の都合もあり)捻りのない率直な感動作になる事が多いけど、本作はギリシャ神話の生と死との間を廻る大地の女神の名を冠するタイトルからも想像できる通りのファンタジー要素マシマシ作品。
内容もわらしべ長者やループもの、世にも奇妙な物語?的要素を加え、神話ネタでトドメを刺してくる挑戦的な物語。雰囲気はわりと静かだけど、不可思議な世界観は好きな人はハマるかもしれない(その逆も然り)

個人的にはまあまあかなといった感じだったけど、試みは新しいわりに時代錯誤のヤクザやエロいホステス(橋本マナミ)などが次々に登場する演出は古臭いし、そもそも千曲市とギリシャ神話の繋がりは??とか、いろいろ気になりだしたら話が入ってこなくなってきてしまい…(笑)

ただ、この世界観と剛力彩芽、そして絢香の歌う主題歌が見事にマッチしていた。そこは良かったと思う。
磨