わか

ダ・ヴィンチは誰に微笑むのわかのレビュー・感想・評価

ダ・ヴィンチは誰に微笑む(2021年製作の映画)
3.8
絵の価値を決めるものは何か?
いつ、誰が描いたのかはもちろん、それは本当にその時その人によって描かれたものなのか。

ダ・ヴィンチ最後の作品と言われる、サルバトール・ムンディを巡る大論争。

本当にダ・ヴィンチが描いたものなのか、その絵は今どこにあるのか。
事実は小説よりも奇なりといっても過言ではないミステリーをはらんだドキュメンタリー作品だった。

ある古美術商が手に入れた1枚の絵が、ダ・ヴィンチが描いた絵なのではないかという推測から、沢山の人の意見や思惑によって最終的に4億ドルという値段にハネ上がっていく様子は、まさに人間の滑稽さが如実に表れていたと思う。

それと同時に、何を持って本物とするのか、その価値基準を判断するラインの曖昧さ、出所不明の絵画の価値を決める難しさ。
そして、買う側は作品の何に対して価値を見出し、お金を出しているのか。

文字通り、人の価値観を試しているようなトピックを追った作品だった。

芸術作品と、それをとりまく環境とお仕事が沢山見れるので、観る前と観たあとで芸術に対する見方が変わるかも。

昔、ルノワールのムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会を見たのだけど、あれは果たして本物だったのかしらと不安になった(笑)
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