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弟とアンドロイドと僕のCOLORofCINEMAのレビュー・感想・評価

弟とアンドロイドと僕(2020年製作の映画)
3.5
以前インタビューで豊川悦司さんが答えていたとおり「どのように宣伝したらいいのか困る」作品だ。

映画全編にわたって激しい雨が降る。
ハイコントラストにしてどこか銀残しとも呼ぶべきルック。対してのゴシックホラー的洋館内部は幾分、暖色系。恐怖が過ぎるとコメディのようにも見える(或いは喜劇か悲劇か)。振り返るとタイトルシークエンスにもヒントがあったのでは?チェーンソー、暖炉、死んだ小鳥…
中でも謎の少女がいた自転車置き場に落ちていた死んだ小鳥。
持ち帰り顕微鏡で観察する主人公、桐生薫。
見えたのは細胞と思しきものの間を動き回る金属片のような物質。
これは、果たしてそこにいた少女による仕業なのか?
(試験的にいくつもの人工生物を作っていたとも考えられるが..)
そうなってくると、この少女もアンドロイド?
故の壊れたような台詞、行動(産婦人科へ向かう。桐生薫が生まれた場所?)。
語られていない部分が多すぎて、そのような2次的創作を思いついてしまう。

そして、もうひとりの自分に似せて作った桐生薫。
人工知能、アンドロイドものというよりはフランケンシュタインのような造形物にも見える。

ラスト、モノクロの一人称視点はこの少女?
もうひとりの桐生薫?
孤独なふたりが抱き合う閉鎖された病院の外は雨ではなく雪が降っている。
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