家族をISに殺害された人たちで構成された部隊。そんなものが実際あったことに驚きました。
激しい銃撃戦やドローンを用いた戦闘など緊張感の絶えない映画ですが、個性豊かなキャラクターの描き方が重い題材のなかにエンタメ的な軽やかさをもたらしている気がします。娯楽性と社会性の絶妙なバランスは、ルッソ兄弟が得意とする領域でしょうか。
気になったのは、部隊の目的を「オチ」として隠しておく必要があったのかというところ。たしかに謎があることで興味を惹かれる反面、隠すほどのインパクトはなかったように思うし、無理にドラマチックにしたのではないかと穿ったことを言いたくなってしまいます。
ヒリヒリとしたリアルな戦場と、隊員たちの束の間の交流が呼び込むドラマだけで十分魅力的だと思ったので、個人的にはそこに仕掛けは必要なかったかなあと思いました。