かんさか

ダンサー・イン・ザ・ダーク 4Kデジタルリマスター版のかんさかのレビュー・感想・評価

4.9
基本的には鬱屈とした映画だが、物語の要所要所に主人公セルマの希望に溢れた空想であるミュージカルシーンが挟まれる。
それ故、現実に戻された時の絶望的な状況が際立って見える構図が秀逸。
終盤に差し掛かるにつれて、空想では逃避しきれない程の現実が重く伸し掛かり徐々に閉塞感が増していく。

トラウマ映画として語られることの多い本作だが、自らの命と引き換えに子に未来を与えることを成就させている点でハッピーエンドとも捉えられると思った(それをハッピーエンドだと感じさせてしまう程、救いが無いとも言えるかも知れないが)。

エンドロールで満足感と悲しみの充足感に包まれる映画。きっとまた観るんだろな。
かんさか

かんさか