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ゴッドファーザーPART IIIのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)
4.6
ビジネスマンになったマフィアはマネーロンダリングのために財団をつくりバチカン銀行を利用しようとする、というのは実話らしく、Part3はフィクションを超えた驚きの実話が含まれ、裏社会では想像の及ばないことが起きているのだなあと、Part1、2とはまた違った怖さを感じました。

マイケルからヴィンセントへの代替わりは子育てみたいでもあり、洗脳でもあり、OJTみたいでもあり、「敵に憎しみをもつな、判断が鈍る」「考えを言葉に出すな」と、ヴィンセントを教育しながら、男の生き方を示す姿はヴィンセントには格好良く見えたことでしょう。後戻りできない道を選ぶのか覚悟させ、愛よりもファミリーを選んだヴィンセントは表情が引き締まり、後継になるシーンに鳥肌が立ちました。

ヴィンセント役のアンディ・ガルシアもオールバックが似合い素敵です。若い頃のアル・パチーノに顔立ちがちょっと似ている。

この回ではとくにダイアン・キートンがいい役者だなと思いました。何気ない仕草や普通の会話の時にそれを感じました。喜怒哀楽の激しい演技より日常の仕草や話し方等に演技力が出るなと思っているので。

妹のコニーがまるでドン。ファミリーのゴッドファーザーはマイケルだけど、家族の影のドンはコニーです、きっと。

美しい旋律の「カヴァレリア・ルスティカーナ」がエンディングの曲だと思ってしみじみしていたら、エンドロールの「Promise me you'll remember」の歌詞がさらに染みて、運命に翻弄されたマイケルが夢見たひとときの幸せが哀しかったです。

憎しみはやはり連鎖していったのだろうか。

後悔と消えない深い痛みを抱いて生き延びてしまうことが人生の中で最も厳しい罰なんだと思いました。
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