巡る巡る時の中で自らの運命を翻弄される男はそれに耐え自らをも殺し、はたまた親族をも葬り、女を忘れたいと思い、自らの血を継ぐ二人の子供を愛することにただひたすらその精力を注いだ。
しかし彼が最後に思い出す光景は女と肩を組みダンスする巡り巡るシーンだった。
『ゴッドファーザー』はただひたすら生の残酷性を描いている作品だと思う、仁義なき(ゴッドファーザーで言えば神義なき世界でだろうか(笑))世界で己の思いだけではどうすることも出来ないとき、人は他者に自分の重みを委ねる。この作品内では数多の人が産まれ、ただただ死んでいく。シリーズを一貫して生きるマイケルはずっと生の苦しみから逃げることが出来ずに神に頼ろうとしたり慈善事業をしたりしようとするが、そこに神の施しなんかあったもんじゃない。
生きる苦しみ、運命、愛する人を愛し続けることが如何に難しいことなのか。「あぁ、これは語り継がれる名作だ」と初めて観て思いました。
……ヴィンセント主役でゴッドファーザー4やらんかなー
エンディングテーマより
「運命が意地悪く耳にささやく ″この幸せはーーつかの間だと″」