コソボの女性監督カルトリナ・クラスニチのデビュー作。
TIFF東京グランプリ受賞
主人公は手話通訳者をしている初老の女性ヴェラ。
自宅療養中の元判事の夫ファトミルの誕生日。ケーキを手に家に戻ったヴェラは、田舎にある家に買い手がついたという嬉しいニュースを伝えるが、夫はなぜか無言。
その後、ヴェラが近所に出かけて戻ると夫の姿がない。
ドアの閉まった浴室を押し開けると・・・
夫はなぜ突然自殺してしまったのか。。
叔父?バスリのアドバイスで夫が自殺したことを隠し、高速道路も作られ値上がりが見込める田舎の家を売却し、舞台女優で苦労している娘サラと孫ハナのための資金にすることだけに希望を持つヴェラだが、そこには思わぬ展開が待ち受けていた。。
ソファで寝ているヴェラがいつも見る海の夢。
ヴェラの心理状態を反映しているようだ。
村の家を管理していたアフメトという男。
その村に暮らす男たち。
夫とバスリが隠していたこと。
男の力、圧力と闘うヴェラが見せる逞しさ。
脚本は友人の方が書かれたとのことですが、監督の母ヴェラの人生と似ていたということで、ラストに「わが母ヴェラに捧げる」と出てきます。