サーフ

母の聖戦/市民のサーフのレビュー・感想・評価

母の聖戦/市民(2021年製作の映画)
3.5
「丘の上の本屋さん」で非常にほっこり、日向ぼっこした時の気持ちになった後に見たのがこの「母の聖戦」。なんというか、直前に見た映画との落差が凄すぎた。非常に内容がヘヴィ。

メキシコに住むシングルマザーのシエロが主人公で一人娘のラウラが犯罪組織に誘拐されてしまうという所から始まるストーリー。
何の脈絡もなくいきなり「娘が誘拐されてしまった」という現実を突きつけられる不条理さ。
ただこれがメキシコのリアルなのだろう。麻薬戦争だけでなく人身売買も蔓延るメキシコという国の恐ろしさを感じる。
だからこそ原題が「La Civil(市民)」なのかなと思う。この物語はメキシコに住む人間なら誰にでも起こりうる事柄、だから「市民」。

シエロに手を貸す軍も平気で容疑者を嬲り、平気で銃殺していくので見ながら「本当の意味での正義は無いのか…」と沈鬱な気持ちになってくる。

ラストの終わり方も人によって解釈が異なりそうな終わり方。個人的には「良い終わり方」で捉えておきたい。
サーフ

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