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アリサカのMALPASOのレビュー・感想・評価

アリサカ(2021年製作の映画)
3.5
映画『アリサカ』
@東京国際映画祭
フィリピン

監督はミカイル・レッド

エンタメと歴史や先住民の問題を融合させた現代版フィリピン・ウェスタン。面白かった!
ラクウェル・ウェルチの『女ガンマン 皆殺しのメロディ』を思い出す。
大怪我を負った主人公が先住民に助けられ復讐に乗り出すというパターン。
娯楽西部劇の流れを組む映画の主人公は重傷を負っても大体が薬草を傷口に塗って寝ると完全復活する。

主人公の警官を演じるマハ・サルバドールが美しい!この人歌って踊れるアイドルでフィリピンではスーパースター。銃の持ち方やアクションはもう少し訓練してほしかった。

「君が経験したことを我々は何年も経験してきている」・・・物語に重要なポイントとなる先住民アエタが登場する。その台詞も素晴らしい。実際に土地を巡って問題となっているアエタ。先住民の役者素人の人たちが演じている。登場する薬草も実際に彼らが使ってるものだそうで、びっくり。

さらに暗い歴史をエンターテインメントに盛り込んでいる事が興味深い。
日本軍による「バターン死の行進」という歴史が時を超え主人公を助ける。
タイトルの『アリサカ』とは、日本軍が残した有坂銃のこと。かつて、日本がメキシコ革命にも輸入使用と試みた。メキシコといえば、フィリピンというのは、国に状況などひじょうに似ている点がある。しゃべり方も同じように聞こえる。映画で描かれる題材も警察の汚職やギャングなど同様のものが多い。
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