難民問題をモチーフとした、JKの青春ドラマ仕立てが良い。難民認定されなくて非正規滞在となったら、健康保険に入れず、移動制限され、労働できなく、大学進学ができなり、父親が無期限で入管に収容される、非人道的で胸を締め付けられる思いに。
国なき民族のクルド人の難民証明が困難なこと。難民認定や在留資格取得のハードルが高いこと。移民政策の政治問題が大きいが、難民の現状を把握していなく、受け入れ意識が低い国民性に問題も。差別や偏見だけでなく、無関心や無知故に人を傷つけたり、法律や制度に縛られて思いやる心が無いことが切ない。
難民と移民（難民以外）を勘違いしている現状、申請者の中には難民ではない人が申請しているという実態など、何故受け入れる日本側のハードルが高いのかなどの側面が描かれていないので惜しい。それでも、取っ付きにくいドキュメンタリー映画にはない、映画から社会問題を考える切っ掛けなことも好感。国境と県境の重層的で身近に感じる側面もあるエピソードが効果的で、クルドと日本の〈石〉は、たいして変わらないははず。
