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ヒヤシンスの血のShinMakitaのレビュー・感想・評価

ヒヤシンスの血(2021年製作の映画)
1.9
1985年ワルシャワ。兵学校への入学を決めた若き刑事ロベルト・ムロゾフスキーは、公園で刺殺された金持ちの男グレゴルチクの事件を任された。グレゴルチクの部屋からゲイポルノのVHSテープが見つかった点、現場が〈ハッテンバ〉である公衆トイレに近かった点から、ゲイ絡みの殺人と思われ、ロベルトらはトイレでの一斉検挙を敢行。そこで逮捕された男娼カミル・バルチクがグレゴルチクが「客」だったと認め、先日もゲイ仲間が刺殺されたと話し出す。それはソボレクというジャンキーが殺された事件で未解決になっていた。ロベルトはバルチクからさらに話を聞き出そうとするが、翌朝バルチクは留置所で自殺してしまう。署長はバルチクがホシだったと決め付け、捜査は終了するが、ロベルトは納得がいかない。彼は独自にゲイコミュニティに潜入、アレクという青年と親しくなり、真相を探り出そうとするが…


「ヒヤシンスの血」


Netflixオリジナルのポーランド映画。民主化された現在でもLGBTには手厳しいことで知られるポーランド、ましてや1985年で秘密警察もハバ効かせていた時代ですから、ゲイであることは命がけだったでしょうな。警察がゲイ殺人を捜査しないどころか、警察そのものが犯人である可能性もあるという背景です。その中で、出世を約束され結婚も控えている主人公が、真相究明のために単独捜査に身を投じ、性的アイデンティティも揺らいでいくという話ですね。パチーノの「クルージング」と設定は似てるけど、こちらはゲイをゲテモノ扱いはしていません。それよりもポーランド秘密警察の怪物ぶりを糾弾する内容になっています。刑事モノ好きならぜひ。ロベルトのパパが渋くてかつ不気味で、存在感あります。
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