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アメリカから来た少女/アメリカン・ガールのatyのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

期待以上だった。アメリカと台湾の文化の違い、喧嘩する両親、勉強に厳しい学校生活、に引き裂かれそうになる少女。フォーカスされる姉のフェンは、思春期特有の鋭さを持っているものの、基本的には他人に対して優しく、主人公としてとても共感できる。慣れない土地で、ひたむきに生きているように感じる。

アメリカから来た少女が見る台湾は、経済的に弱く、宗教もまるで違い、学校教諭は偉そうで体罰ばかり。自分が見る台湾と全然違い、まるで楽しくないのにびっくり。父からの「自分の問題から逃げるという理由だったら、どこに行っても同じだぞ」という言葉は、思春期の少女にとっては重すぎる。

他にも、少女が大好きな乗馬をうまく絡めて、希望となる共通点も見出す構成に唸る。一番良いと思ったのは馬に会いに行くシーン。白い馬を見つけ、アメリカでの愛馬スプラッシュと重ねて涙するシーンは、女優の力量を感じる。こっちまで泣きそうだった。

スピーチの内容にずっとワクワクしてたのに、終わり方に肩透かしをくらった感じで、自分の中での評価は少し下がってしまった。母への愛憎は、耳掻き中のやり取りでなく、スピーチの中で語って欲しかった。嫌いなところを並べ立てる、子供っぽさと大人っぽさが入り混じるスピーチを期待しすぎた。ヤンヤンの最後のスピーチに影響されすぎか。
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