このレビューはネタバレを含みます
仮面男の無慈悲な殺しっぷりから、めちゃくちゃカッコいいジャッロな色づかいのオープニングでテンションMAX。
オーバーツーリズムという、日本も他人事ではない社会問題をはらみつつ、サスペンススリラーとしてもちょうどいいハラハラ具合。
観光客の騒ぎっぷりを見れば、まぁこうなってもしゃーないよな…とも思うし、かと言ってそれで成り立ってる生活があるというのもわかる。
そのあたりを代弁するキャラクターもいるのでバランスがいいなと。
仮面の匿名性とヴェネツィアの祭の華やかさの対比が、観光時とピンチの時とでは真逆に見えてうすら怖い。
かといってホラーやゴアに振り切りすぎず、観客に問題提起を投げかけ、余白を残すニヒルなラストも個人的には◎。
劇伴もジリジリと重めでイメージと相違なく、これはなかなかに佳作では。
さすがのイグレシア監督でした。