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べネシアフレニアのWNTのレビュー・感想・評価

べネシアフレニア(2021年製作の映画)
3.2
ヴェネツィア旅行に来た男女が仮装をして夜を楽しんでいるとペスト医師にパーティーに誘われる。
旅先で知らない人についていくことに警戒し一度は断ったものの気になったイサたちは彼の後をつけて地下のパーティーで夜を楽しむ。
しかし朝になるとひとり友人が帰っていない。
旅行そっちのけで探すものの手がかりはひとつも見つからなかった。

ヴェネツィアの街並みとヴェネツィアンマスクを被り優雅に過ごす人々の雰囲気が良くて異世界に飛び込んだような風景が美しい。

テーマとして近年増加し続けている景観を壊し問題を起こす観光客に恐怖を与えて少しでも足を遠のかせようという問題提起がある。

マナーの悪い観光客は現地の人々を不快にさせて事件や事故を起こし災いを呼ぶ。

ペスト医師のビジュアルが特に素晴らしく、道化師もキャラクターとして個性的で手のつけようのない邪悪な存在が作品を引き立てている。

道化師が何をしても見せ物になり、リアルで面白いと観光客が寄ってたかって撮影することで真相が闇に葬られて問題に気付かないところは今っぽくて面白いシーン。

地下クラブのシーンで漆黒の世界や衣装、ヘアメイク、音楽が刺激的であそこがどんなところで何をしているのかもっと知りたかった。

同じ人間であっても観光客だけを厄介もの扱いしてとにかく殺しまくる道化師が主人公で、制裁を与えるサイドのみ描いた作品を見てみたい。
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