アレックス・デ・ラ・イグレシア監督作。
スペインの鬼才:アレックス・デ・ラ・イグレシア監督によるスラッシャーホラーで、ベネチアを訪れた観光客が恐怖のどん底に突き落とされます。
カーニバルで賑わうイタリア・ベネチアを訪れた5人のスペイン人観光客がベネチアンマスクを被った謎の猟奇殺人鬼に命を狙われていく姿を描いたホラー映画です。ベネチアのオーバーツーリズム問題を背景にした作品で、急激に増加する観光客を敵視する秘密結社の陰謀の標的にされたスペイン人旅行者の惨劇をミステリアス&スリリングに描き出しています。
イタリアのジャッロ映画にオマージュを捧げた作風となっていて、ショッキングな惨殺描写と神出鬼没な覆面殺人鬼を巡るミステリー仕立ての作劇が単なるスラッシャー映画の枠を超えた恐怖感覚を現出していますし、全面ロケ地となった水の都ベネチアの風光明媚な都市景観が贅沢気分を味わえる観光映画としての魅力も兼備しています。
観光客を忌み嫌う秘密結社のぶっ飛んだ過激思考と大胆不敵な凶行に背筋が凍る急転直下型スラッシャーホラー。「ベネシアフレニア」がアリなら次は「京都フレニア」や「バルセロナフレニア」とか作ってワールドシリーズ化したら面白いのかも…。