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V/H/S/94(原題)のhorahukiのレビュー・感想・評価

V/H/S/94(原題)(2021年製作の映画)
3.8
『V/H/S』シリーズ起死回生の最新作!

麻薬捜査でスワット隊が潜入したアジトには大量の死体…。そしてビデオが映し出されたいくつものスクリーン。そのビデオ映像をオムニバスで見せるいつもの形式ながら、かなりの高打率を誇る近年珍しい良作ホラーオムニバス👍VHS画質の再現故の見えない箇所の増加がホラー的にプラスに働いてた!

縦軸『HOLY HELL』
監督ジェニファーリーダー
上に書いたスワット隊がアジト潜入するやつ。これ自体はサッパリ面白くないので、もうこの形式に拘る必要ないんじゃない?とは思った😅

1話目『STOME DRAIN』
監督クロエオクノ
謎の怪物「ネズミ男」の目撃情報が大量に寄せられたため「そんなんおるわけないやん🤣」とは思いつつも地元のテレビリポーターとカメラマンが下水道を調査しに行く話。

全くやる気なかったリポーターが下水道で生活してるホームレスを見つけた途端にピューリッツァー賞がチラついてヤル気MAXになるの笑った🤣暗闇の中で薄らと蠢く影とホームレスの異常行動で空気感がガラリと変わるのだけど、凡な短編ホラーならここで終わりポイントの更に先まで手を伸ばすのを2回くらいやるのが堪んない!

2話目『THE EMPTY WAKE』
監督サイモンバレット
タイトル通り誰も来ないお通夜。葬儀社の新人女子が、事故でグッチャグチャに損傷した死体が入っている棺とお通夜会場で一晩過ごすお話。

雷鳴が轟く不穏さ、いつの間にか棺の位置がズレている違和感等々クラシカルな雰囲気が漂う良作。グチャグチャを修復した死体だから『早すぎた埋葬』的なことはない→でもグチャグチャが怖いから中を確かめられない。その中で一人だけやってくる参列者に安堵を求めるべきか、関係性すら明かさないその男に不穏を感じるべきか…という盛り上げ方の先の楽しい展開が素晴らしい!

3話目『THE SUBJECT』
監督ティモジャヤント
人体と機械の融合を試みてるマッドサイエンティストの初の成功体となった女性視点。誰かに攫われ目覚めると何かがおかしい…話すこともできない、そんで誰このクソジジイ?そこへ実験室のトビラをノックする音が…。

とってもサイコーなやつ!拘束されてた頭部→カメラを引くと蜘蛛みたいな足がついてたっていうファーストカットから期待は高かったけれど、マッドジジイ出てきて実験始めたあたりでどうせまた『フランケンシュタイン』でしょ?とガッカリしてたら、コレまたその先のサイコー展開を見せてくれる楽しい良作。『武器人間』好きならハマるはず!

4話目『TERROR』
監督ライアンプロウズ
テラーというよりテロ。ミシガン州の「アメリカを取り戻すぜ!」なテロ軍団が吸血鬼の力を利用してビル爆破を企てる話。

これが一番微妙だったかな。吸血鬼の血って太陽浴びると爆発するよね?→じゃあその血で時限爆弾作れるじゃん!っていうアイデアは面白いのだけど、しっかりそのテロまでやって欲しかった…😭他の作品たちが従来的な終わりポイントのその先まで描いたのに対して、本作は手前で終了した感じ。でも一番VHS画質というのを徹底しててその粗さは好き。

ここまで読んできて「アレ?スティーブンコスタンスキ監督は?」ってなった方が多分多いんじゃないかな…😅私も見ててコスタンスキは?ってなったのだけど、どうやら途中に数分だけ入る通販のCMみたいなのを監督してたみたい。そういうのいらないんだけど…😭
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