『白い風船』『人生タクシー』などで知られるイランの巨匠ジャファル・パナヒの長男パナー・パナヒの長編監督デビュー作。監督自身や家族、友人たちに起きた実際の出来事に着想を得た物語で、イランの荒野を車で旅する家族の姿を描いたロードムービー。
監督のパナー・パナヒはテヘラン芸術大学で映画制作を学び、父の現場で助監督や編集なども経験。本作で長編監督デビューを果たし、2021年・第74回カンヌ国際映画祭監督週間に出品。日本でも同年の第22回東京フィルメックスでコンペティション部門に出品された(映画祭上映時タイトル『砂利道』)。
荒涼としたイランの大地を車で旅している4人家族。ケガをした脚にギプスをして後部座席に座る父は、悪態をつきながら、はしゃぐ幼い次男の相手をしている。助手席に座る母はカーステレオから流れる古い歌謡曲に体を揺らし、成人したばかりの長男は運転席で無言でハンドルを握っている。次男が隠し持ってきた携帯電話を道端に捨て去ったり、転倒した自転車レースの選手を乗せたり、余命わずかなペットの犬の世話をしたり、さまざまなことが起こりながらも、一家はやがてトルコ国境近くの高原に到着する。そこで父と母は羊飼いや仮面をつけた男と交渉し、長男は旅人として村に迎えられる。旅の目的を知らない次男は変わらず無邪気にはしゃいでいるが……。
★2021年マール・デル・プラタ国際映画祭
作品賞
シグニス賞
★2021年シンガポール国際映画祭
アジア映画賞
★2021年紅海国際映画祭
審査員賞
撮影賞
★2021年ロンドン映画祭
作品賞
★2021年フィラデルフィア映画祭
アンサンブル賞
★2022年ルクセンブルクシティ映画祭
批評家賞観客賞
★2022年サンフランシスコ国際映画祭
新人監督賞
★2022年ブカレスト国際映画祭
監督賞