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永遠に続く嵐の年のkyokoのレビュー・感想・評価

永遠に続く嵐の年(2021年製作の映画)
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コロナ禍の世界を描いた7人の監督によるアンソロジー。
ジャファル・パナヒは、防護服に身を包んだ実母の訪問から始まるドタバタな笑いと、生れ出る命と老いたものたちとの邂逅を描く。これはもう奇跡的といっていいくらいの作品。イグアナのイギー……かわいすぎ。ずっと見ていたい。
アンソニー・チェンは、閉鎖的な生活によって若い夫婦が育児と仕事に追い詰められる様を、チョウ・ドンユイとチャン・ユーという思いがけずメジャーな組合せで描く。いかにも「あるある」な夫婦の危機を救うのは、小さな命たち、かな。
マリク・ヴィタルはYay Yay Bobby Jones(全く存じあげないけど、調べてみたらどうやらヴィタルとともに映画を製作していた方らしい)と、里親のもとで暮らす3人の子どもとの交流を描く。コロナは親権をかけた裁判や面会にも影響を及ぼしているという主張。
ローラ・ポイトラスは、イスラエルのNSOグループによるスパイウエアの実態を追ったゴリゴリのドキュメンタリー。コロナ禍での差別問題といった「不都合な真実」を暴こうとしたジャーナリストが監視対象となるなど、先進国家とNSOの関係が不気味に浮かび上がる。これを短編にするにはさすがに無理があったかも。
ドミンガ・ソタマイヨールは、声楽家(?)の母親と娘が、出産した長子のために外出制限をごまかしてベビーベッドを届けるというもの。娘がなんで野宿しようとしてたのか謎。
デヴィッド・ロウリーは、「A Ghost Story」の雰囲気そのままに、時空を超えた邂逅をなんともいえない味わいで描く。あの手紙の年代から考えるに、あれはペストによって亡くなった者なんだろうか。いろいろと想像したくなる。
アピチャッポンは……もうぜんぜん分からない(笑)外の嵐を逃れるかのように、古びた病院は虫たちのコロニーと化している。誰もいないはずの病院のラストカットにはちょっとぎょっとしてしまった。でもぜんぜん分からない笑笑
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