朗らかなこっぺ

METライブビューイング2021-22 R・シュトラウス「ナクソス島のアリアドネ」の朗らかなこっぺのレビュー・感想・評価

4.5
 話が面白い!こんな構成を思いつくなんて、シュトラウスって天才。オペラ開演前のプロローグの章と、悲劇と喜劇の混ざったオペラの章の二部構成。ミュージカルのオーディションをミュージカルにした『コーラスライン』を思い出した。
 プロローグは作曲家が主役。カーテンコールまできれいに幕毎で区切ってあるのが、他の演目では絶対に起こり得ないことなのでかなり新鮮。
 オペラはアリアドネとツェルビネッタの凸凹ヒロインが主役。ディズニープリンセスのような衣装と演出も素敵。ラストシーンはバッカスをどう見るかでだいぶ解釈が変わるけど、素直にハッピーエンドと捉えておこう。
 アリアドネ役リーゼさんの重厚なソプラノも素晴らしいけれど、ツェルビネッタ役ブレンダさんの音域たるや化け物級で、どのくらい凄いかを示す言葉が見つからない。それも難なくこなしている(ように見える)。彼女の演じるオフィーリアにとても興味があるので、いつか機会があれば『ハムレット』も観てみたい。