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オッペンハイマーのyukiのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.9
オッペンハイマーが居なかったら、またストローズが居なかったら世界はどうなっていたのか。
唯一の答えが出せる問いではないだろうが、おそらくは原爆は遅かれ早かれ戦争に使われ、水爆も開発は進んでいたのではないだろうか。
世界の、人類の流れとは強大であり、1人の人間の存在だけによってその行き先が大きく変わるものではないのではと思う。

本作では、問題が個人に矮小化されているようにも感じた。
もちろん、オッペンハイマーが与えられた権限の範囲の狭さにも言及され、アメリカの、ひいては大戦の流れに飲み込まれている様子は描かれている。
ただ、作中でも使われる「罪悪感」という言葉にも表れるように、オッペンハイマー個人に責任を負わせ過ぎのように思える。
アメリカ人からの喝采に当惑する描写も、オッペンハイマー本人の受け取り型だけではなく、その苦悩を外から描き「単なる駒に過ぎない」ことを示しても良かったのではないか。
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