タムメット

ノースマン 導かれし復讐者のタムメットのレビュー・感想・評価

3.5
9世紀の北欧が舞台の復讐物語です。
監督が【ウィッチ】を撮ったロバート・エガース。
ウィッチの時もそうでしたが宗教的な表現を織り交ぜ幻想的な演出に特化していると感じた。

北欧最高神オーディンや豊穣の神フレイヤなど
様々な神々の名前が登場します。
特に今作はヴァルキリーが主にあったと思える。
戦争で死んだ勇者はヴァルキリーに見出され、来たる神々の最終決戦ラグナロクに参戦する。
復讐物語の裏に死後勇者になるというコンセントの元、死は無駄ではないという価値観が根幹にある。
この死生観が見えて良かった。

神道では死後、魂はこの世に留まり生者と共にあり氏神となる。
仏教では輪廻転生という死生観があり、解脱し涅槃へといたる。
この2つを鑑みると北欧って凄いなと思う。
死後も戦いに身を投じるって、勇者すぎる。

この作品を通じて改めて国々の宗教観が知る事が出来た。
ラストに感じたモヤモヤ感も、恐らく宗教的価値観に違いがあったからなのかな。
観て損は無かったです。

あとアニャが美人すぎて震えた。
人とは思えないほど妖艶な美しさがある。
そこにいるだけ存在感やばい。
ウィッチの頃と比べるとかなり違います。
最早、大ファンです。