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四畳半タイムマシンブルースの8637のレビュー・感想・評価

4.0
両作の予習を5時間前に済ませたけど、それでも同じストーリーに飽きなかった。
「サマータイムマシン・ブルース」の意思を「四畳半神話体系」が継いでいて、その上どちらとも個性を消さない悪魔的融合。前者の優美さと後者の爽やかな青春。下鴨幽水荘の人々と劇場で出会えるのも感慨深かった。
公開時期を夏から外してきたのも分かる。もう終わっているのだ。

そもそもこれって「四畳半神話大系」上のどの世界線なんだろうね。
湯浅政明が夏目真悟に代わった途端に上田誠と折り合いがついて、キャラクター性が見えやすくなった。特にヒロインの明石さんがよりヒロインしていて、自分にはそれが好みだった。何かもう、あまりにもロマンチックだよね。

これもしかして、タイムループものに慣れない人にとっては「四畳半神話大系」の、説明過多なフォーマットが丁度良いのではないだろうか。「サマータイムマシン・ブルース」の時間構造には面白いようで難しい箇所も多いので、今回それを解りやすく表現できていた気がする。そして、何度か観てそれを理解できていた人が感じられるロマンも半端ない。あまりにも最高で全てを黙らせるラストを観て欲しい。
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