ちろる

ワタシが"私"を見つけるまでのちろるのレビュー・感想・評価

3.8
リリー、セイディそしてクロエアメリカの家庭で何不自由なく育ってきた3人のアジア系ティーン。

白人の中で育ち、幼い頃は自分自身も白人だと思い込む。
だが、成長するにつれて自分だけがコミュニティの中で違う人種で、養子であることを認識せざる得ない。

ふとしたきっかけで流行りのDNA検査をしてルーツを調べたことによって、実の従姉妹に出会い、つながるというドキュメンタリー。
ルーツ元の家族がそれぞれなぜに可愛い我が子を養子縁組に出さなければならなかったのか。

少女たちは自分と繋がりのある中国系の少女に出会い、ただただ手放しで嬉しそうだが、ルーツを探るにつれて、出てくるのは中国の一人っ子政策により、罰金が払えず手放した親たちの後悔と悲しみ。
ら涙と共に手放した母親の苦しみがあるし、何年もの間消えない後悔の念がずっとこびりついている。
中には本人たちが知らない間に親戚が養子に出してしまったというエピソードもあった。

ルーツ探しを請け負うリウ・ハウは、自分だったかもしれない彼女たちのルーツ探しに奮闘する。
彼女はずっと父に愛されなかったその苦しみの中にいる。
たまたま祖父母の反対で残されたが、リウもまた、この3人のティーンのように遠く離れた場所で生活していたかもしれない。

少女たちが皆幸せで、養子先に恵まれたからハッピーな感じで観られれものの
一人っ子政策の残酷さが浮き彫りになるドキュメンタリーでもあった。
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