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イニシェリン島の精霊のitのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.2
マーティン•マクドナー監督ならではの、感情がじわじわと沸騰した挙句の、こうするしかなかった的に追い詰められた、独創性あふれる暴力表現に脱帽。特に今作は映像の美しさという点で真骨頂と言える。「社会」や「人間関係」という人間だからこそ生まれる厄介で複雑な感情、自分の時間や思想をどこまで他者に明け渡すのか、多様性を受け入れられるのか、という困難さが、無邪気な動物たちとの対比でわかりやすく描かれていた。内戦というメタファーも実に見事。
過激さとユーモアの絶妙なバランス、痛々しくて目を背けたいけど逸らせない独特の緊張感は『セブン•サイコパス』でも主演だったコリン•ファレルや、『ヒットマンズ•レクイエム』でのブレンダン•グリーソンとのタッグのなせるわざかも。
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